下剋上エクスタシー@仙台サンプラザホール(5/27)

くろさんのライブレポート

皐月弐拾七日(土)
仙台下克上エクスタシー開催当日

五月も終りに向かおうとしていた、ある週末の物語である。
この日はまるで何かを祝福するかのような澄みきったあおぞら≠セった・・・

開場はまだまだ先の時間であったが、ふだんこのHPで御世話になってる方々と逢うべく、小一時間ほど早く辿り着いていた。
約束の時間を多少すぎたころ、SRNのメンバー(+パラノイアの方2名)は集まった。
この日逢えたのは、赤林檎、ness、よこ、TAX+パラノイア管理人ことsatopal、乱である。
普段ネット上でしか逢えない人たちと逢えるのはとても新鮮で、さらに親睦や愛情?も深まったのである。
電話でだけだったが、きのん、まろ、ユウスケも参加してくれた。

開演時間が近づき会場の入り口付近に向かい、そこで一堂解散をする。
会場の廻りにはやはり重度の被害者達は蠢きあっていた。
現実には本物が居ると解っているのに、自らを椎名 林檎と思っているナース達の姿がかなり見受けられた。
何言う自分も実はナースの格好を・・・・・(虚言)

無事身体チェックを受け会場に入ると、まずはグッズ売り場へ足を運ぶ。
そこで、パンフレットとステッカーを手中に収めた。

既に中は霧(スモーク)が立ち込めていた。
幻想的な空間を彩るように。
着座位置に着く。
2階席の最前列の為、視界を遮るものは何もない。
白い幕の張られた舞台を見渡せた。
少し説明になるが、此処仙台サンプラザは3階席まであり舞台を円筒形の客席が覆うようになっており、
密かにアーティストの方々からはミニ武道館と呼ばれ気に入られている。
SEの流れる中しばらくすると、前説が始まった。
光のページェントや八木山のベニーランド、伊達 政宗、萩の月など地元ネタ満載のこりに凝ったものだった。(わや受ける)

BJCそれともシャーベッツ?のSEが流れた後、客電が・・・・・。
白い幕には折り重なる二つの影が。
どよめき始める場内。
そう・・・亀田師匠と『椎名 林檎嬢』である。
『好き〜な人や物が多過ぎて〜』
宴は始まったのである!
幕があがると、そこには青白い光に照らされた姿が・・・
袖の長い、まるで拘束帯のような純白のドレスを身に纏っていた。
ギターはデートリッヒ坊やではなく、銀色のデューセンバーグだった。
今回は是1本で轢き通した。
1曲目『月と負け犬』が終ると引き続き『弁解ドビュッシー』(何故か仙台だけ曲順が若干違う場所がある)
『君ノ瞳ニ恋シテル』を立て続けに演奏する。そして舞台が真っ白に照らされると、
拡声器を手にし『本能』を唄いあげる。 所狭しと舞台を駆け巡る!絶唱!
場内全体が早くもエクスタシーに向かおうとしていた。
・・・・・・一旦平静を取り戻させるかのように、MCがはじまる。

此処で舞台の様子をお伝えしておこう。
造りは至ってシンプルである。
全体が白を基調としたものになっている。
スピーカーまでが白いばかりでなく、何と床まで白いのだ。(普通は黒で上の方から見ると立ち位置などが示された白いテープが見える)
舞台中央には、大きな心電図が脈打っている。
左手には、よく理科室などで見かける人体模型が。
バンドメンバーは白衣を、スタッフは手術着を、時折舞台上に現れ写真を撮っているカメラマンは看護婦姿という懲りよう。

話は戻る。
幸か不幸か、いや幸福≠ノ決まってる。 この日はなんと、姫のデビュー二周年記念の日であった。
偶然とはいえこのような日に同じ時を姫と過ごせるとは果報者である。
会場からは一斉に『おめでとう』の声が響き渡る。
かわいい!と客席からの声にマジで素になって照れる林檎嬢の姿があった。
名物牛タンを食したそうである。
「牛タン食べました。お腹が一杯です。こういう生き物達の犠牲のうえに私達はいるんですね。」
釈迦の説法よりもすばらしいです。はい。

間を置いて曲が始まる。
おや?聞いたことのない曲だ。
英歌詞の新曲?
後で解ったことだがこの曲が『ジャニス イアン』の『Love is Blind』であった。
続き『虚言症』碧と黄色のライトに照らされていた。
そして、この日の為に踊りを練習した、あの曲である。『積木遊び』
ギターを手放した姫は突如『正拳』突きを始める。
決まりすぎなぐらい腰も入っている。
これもLIVE Ver.の踊りの一部だった!
所狭しと会場全体が『しくじった音頭』を乱れ踊りまくる。
踊る!踊る!踊る!!
間髪居れずに『あおぞら〜悦楽編』へ
このVer.是非ともCDでも聴けるようになってほしいものだ
そして『ギブス』、TVでは何回か実演している所を目にはして居るが、
やっぱり生≠ヘ格別にすばらしいものだった。
時折姫はギターを掻き鳴らしながら「左足」を後ろに跳ね上げながら、演奏をする。
今までTVなどでは気付かなかったが、多分癖なのだろう。
椎名 林檎にリスペクトされた人達は多分きっと、この仕草を真似するであろう。

二度目のMCに入る。
会場から「おっぱい触らせて〜」の声(雌)が・・・
「自分の触ってください。」とうまく切り返す。
客曰く「ベンジー」 林檎「ん!?ペンギン飼ってないよ?」
客曰く「ベンジーと逢うの?」
偶然にもその日BJCのLIVEも此処仙台であったのだ。
林檎曰く「何でみんなブランキー行きへんの?」
林檎曰く「みんなこっちに来てくれてありがとう!」
その後しばらく観客との会話のやり取りは続いた。
唄っているときのワイルドさとは引き換えにとても丁寧に質問!?に受け答えてくれる姫の姿があった・・・

引き続き曲に入る。
ここで2曲続けて新曲をご披露。
『ギャンブル』『やっつけ仕事』である。
ギャンブルはギブスと罪と罰を掛け合わせたような感じに聞こえた。
やっつけ仕事はノリのいいナンバーではあるが、歌詞がチョット聞き取りにくかった。
今回は特別圧力を掛けてとは言わなかったようである。
そして『警告』他の場所とは2曲目として披露されている。
何故、仙台だけ曲順違うのだろう?只の気まぐれ?それとも・・・
「I’ll Never be Able・・・」
ああ・・・特にお気に入りの曲『ここでキスして。』
が始まった。  何度聴いても良い曲だ。
来世紀までも残して置きたい・・・
曲は一転して激しい『アイデンティティ』へ。
『SS』では特にお気に入りナンバー。
此処ら編から壊れたビデオのように自分の中では映像が途切れ、途切れ・・・もう逝っちゃってあまり記憶がないのです。
ここからは僅かな記憶を手繰り寄せて手記を書きます。
『幸福論』珍しくシングルVer.と思いきや、いきなりメンバー紹介へ。
Key、D、G、Bと順に紹介して行く。 何か忘れてるような。
あれッ自分を自己紹介しなかったんじゃ?
姫はいつもそうなのであろうか。
紹介が終ると再び拡声器を手に『幸福論〜悦楽編』が激しいリズムを刻む。
さらに逝ってしまう自分。
この後、MCがあったらしいのだが???

バックに細かなざらついたような不気味な背景が写し出される。
『罪と罰』である。
唄い方の壊れ具合がいつ観てもかっこいい。
『歌舞伎町の女王』へと繋がる。
しゃぼん玉のような背景になる。
今回の曲中一番CDとイメージが異なる『浴室』である。
やはりLIVEでは打ち込みとはいかなかったようである。
この曲が好きな人はちょっとがっかりするかもしれないが、自分はこっちのほうが断然御気に入りである。
背景が大樹のような血管を模した絵に変わる。
『依存症』が始まる。
長い、長いギターのエンディング。痺れるうぅぅぅぅう。
自分はこれで本編ラストかな?と思ってしまう。
しかしさらに次の曲があった。
『シドと白昼夢』途中で曲が変調するVer.だった。
このアレンジがまたなんとも良い。
「あ〜な〜た〜の〜髪をき〜らなきゃ」そうそう、この日の姫は髪型がかなり短くなっていた。大阪のホテルで切ったそうである。
本編ラストの曲『病床パブリック』CDと違いはっきりと歌詞が聞きとれました。
バンドは袖へと消えて逝く・・・・
この時点で重症の被害者達は危篤状態となっているのであった。
アンコールまで身体が持つだろうか?

此処までで21曲、他のLIVEと比べても曲数が多い。

場内は「もう一発」CALLが鳴り止まない。
かれこれ1時間近くも叫び続けたであろうか・・・
(そんなはずないじゃん)

奇声をあげどよめく観客の声が!
姫の再登場である。
「もう一発コールありがとうございます。」
アンコールが始まった。
ハンドマイクを持ったまま唄い始める。
『同じ夜』この夜、一番に印象に、心に刻まれた曲である。
なんと言ってよいのだろう。
とにかく辺りを圧倒するような、静かでいて激しさを漂わす唄だった。
かっこいいよ・・・すごく・・・とても・・・惚れ直してしまった・・・
放心状態。
惜しくも最後の曲になりました。
『丸の内サディスティック』奇妙なステップを披露しておりました。
場内はもう合唱状態です。
曲が終ると姫は客席を振り返ることもせず、両手を振りながら楽屋へと消えて逝く。
この行動も一種の照れがそうさせるのか?

みんなが去った後も心電図の心音は刻まれる。
だが、やがて心音は弱くなり・・・・・心停止。
そこへ、先ほどまで姫が居たであろう場所に死者に手向ける花束が。
最後の最後まで手を抜かない細かい演出だった。

これで全てが終了した。
いや此処からまた新しい何かが始まることだろう。
 

曲目(合ってるかな???)

1.月に負け犬
2.弁解ドビュッシー
3.君ノ瞳ニ恋シテル
4.本能
MC
5.Love is Blind(カバー曲〜ジャニス イアン)
6.虚言症
7.積木遊び(しくじった音頭付き)
8.あおぞら〜悦楽編
9.ギブス
MC
10.ギャンブル(新曲)
11.やっつけ仕事(新曲)
12.警告
13.ここでキスして。
14.アイデンティティ
15.幸福論〜シングルVer.→メンバー紹介 →幸福論〜悦楽編
MC?
16.罪と罰
17.歌舞伎町の女王
18.浴室
19.依存症
20.シドと白昼夢〜LIVE Ver.
21.病床パブリック
 
En1.同じ夜
En2.丸ノ内サディスティック

 
〜Special  Thanks〜

赤林檎@山形産

はっきり言いまして今回チケ獲りは惨敗組でしたが、あなたのお陰で下剋上に参加することができました。
この場を借りて深くお礼を申し上げます。
 
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