下剋上エクスタシー@栃木県総合文化センター417

アズミさんのライブレポート

4月17日、「シイナの日」。
「偶然」(本人談)とは思えない日取りのこの日、
椎名林檎実演ツアー「下克上エクスタシー」は初日を迎えたので御座居ます。
自分の住む栃木に林檎がやってくる!しかもツアー初日!
数ヶ月前から少し興奮気味だった私は、幸福にもチケットを手にする事が出来、
会場の栃木県総合文化センターに向かったのです。

会場の周辺には、沢山のファンはもちろん、怪しげな雰囲気を醸し出す、
いわゆる「バッタもん(非公認)グッズ」の屋台が軒を連ね、
雑誌のファッションチェックのような取材班、そして声を掛けてくるダフ屋......。
そんな中、会場を待つ人々の列に私も加わりました。
が、予定時刻の18時になっても、なかなか会場のドアが開かない。
そこにスタッフが拡声器(^^)を持って登場。
「只今、会場内の準備が大変遅れております。そのため、開場時間も遅れております」
との知らせに、初日ということを感じてしまう私。
その後、まずロビーのみ開場、そして開演予定の18時30分頃、ようやくホール内に
入ることが出来たのです。

ホール内に入ると、真っ先に目が行くのがステージの様子。
しかし、ステージは真っ白な幕に覆われていて、中の様子を知ることは出来ません。
セットはあるのかな?あったとしたらどんなんだろう?
などと思いを巡らせながら、入り口でもらったチラシを読みつつ開演を待つ。
うーんドキドキの時間です。
そういえば、今回、入り口でチラシと共に渡されたプレゼントがあります。
それは.........「ぎょう虫卵検査用フィルム」!!
一緒についているプリントによれば、「ステージに投げないこと」だの、「食事中、勤務中には使用しないこと」だの.......。
アンケート用紙も思わず笑える内容で、このセンス、なかなかです(笑)。

ようやく19時。客電が落ち、ステージに目をやると、白い幕に浮かぶ林檎のシルエット。
力強いヴォーカルで始まる「月に負け犬」でスタートです。
そして白い幕が左右に開くと、なんと病院の手術室をイメージしたであろうセットが・・・・・・・・。
全体的に白い背景、天井には手術室にあるようなあの照明が5つほどぶら下がり、
左側には人体模型。バックの真ん中には、心電図のようなモニターがセットされ、
曲のテンポに合わせて波打っています。
この白いセットが、照明によって様々な表情をみせると言った雰囲気でしょうか。
バンドのメンバーは白衣のような衣装をまとい、林檎は白い薄手の布で出来ている
ダラっとしたロングワンピース(袖口が拘束服のようになっていて、ベルトが付いている)を着ています。
生で初めて林檎を観た印象は、存在感があるんだけど、何となくはかないような........、そんな気持ちになりました。
その後、次々と曲は進んで行くのですが、それにしても林檎のヴォーカルはいろんな表情を見せるものだな、と思いました。
でも、全体的に力があるんです。
そして「本能」。誰もが知っていると言えるこの曲で盛り上がる客席。

「こんばんは、椎名林檎です」で始まったMC。ここで少し覚えている言葉を書いてみましょう。
・4月17日という日付は、ほんとうに偶然だった。主催のSOGOが決めた。
・「ギブス」のジャケットで「あのナイフは手首に入っている」って勝手に
書いている人がいますが、あれは違うんですよぅー。入っていません。
・(「ユミコー」というお客さんの呼びかけに)本名ですか。本名は、家に帰ってからのものなので、ちょっとここでは林檎ということでいきたいんです。
・あっ、看護婦。(客席にコスプレナース発見、らしい)

そんなMCを挟み、「虚言症」。個人的に大好きな1曲です。
続く「積木遊び」では会場も林檎も、「しくじった踊り」!
ところどころでステージに登場するローディーさんの衣装は、手術着。
カメラを構え、フラッシュバシバシたくカメラマンのおねえさんは、看護婦姿。
こんなとこまで徹底するこのセンス、なかなかです(笑)。
噂に聞いていた「あおぞら」の悦楽編。そして「ギブス」。
以前インタヴューで言っていたように、今回はツアーと言うこともあって、
「みんなの共通項」、よく知っている曲を中心に演っているようです。

ここで、「新曲を2曲やります。また皆さんが圧力をかけてくだされば、東芝EMIというところは、すごく良い会社なので、CDになるかもしれません」
と言い、「ギャンブル」と「やっつけ仕事」を演奏。
大きい会場特有の音響のせいか、いかんせん歌詞が良く聴き取れず残念....。
そして「ここキス」など、「無罪」や「勝訴」からのナンバーを次々に。
「幸福論」ではバンドメンバー紹介をしたのちに、悦楽編に突入!拡声器を抱え、
ステージの左右に所狭しと動き回る林檎姫。
「浴室」はCDでのテクノチックなベースラインに、ライヴならではのラケンロールな演奏が重なって、
「シドと白昼夢」では少しボサノバっぽいアレンジになっていたりと、また新しい良さを発見!
「病床パブリック」ではCDでの低音ではなく、若干可愛らしいヴォーカルで歌っていました。
この曲も、ライヴではかなり盛り上がれますね。

本編終了で一旦メンバーはハケて、会場にアンコールを求める手拍子と
「林檎〜!」という叫び。
しばらく経ってから、再び全員がステージに登場。
「アンコール、ありがとうございます」
ピアノの優しい旋律にのって歌い始めたのは「同じ夜」。
途中からバンドの音も加わり、ただただ感動。
そして曲が終わったと思ったら、すぐ前奏なしで「♪報酬は入社後〜」で「丸の内サディスティック」。
この曲でメンバーはステージを去り、拍手と歓声が鳴りやまない中、ステージの照明も消えました。
しかし、バックの心電図の波線だけが青く浮かんだまま。そして、心臓の鼓動音が響き、その音もだんだんゆっくりになっていきます。
波線が徐々に直線に近づいて、鼓動が止まり.........完全にまっすぐになる線。
ピーッという電子音だけが会場に鳴り響き.................。
ステージの真ん中に手術着の人が出てきて、花束を捧げ、一礼。
そして白い幕がゆっくりと閉まる、そんなしめくくりでライヴは終了しました。
さっきまでの興奮も忘れ、ただただステージを見つめてしまいました。

今回のライヴを観て、林檎姫の凄さのようなものは伝わりましたが、
でもやはりもっと狭っくるしい空間で感じてみたい!とも思ってしまいました。
果たしてこのツアーが最終日を迎える頃にはどう変化しているのか。
私は観られませんが、楽しみに思える所です。

「下剋上エクスタシー」4月17日栃木県総合文化センター/曲順
月に負け犬
警告
君ノ瞳ニ恋シテル
本能
<MC1>
虚言症
積木遊び
あおぞら(悦楽編)
ギブス
<MC2>
ギャンブル
やっつけ仕事
弁解ドビュッシー
ここでキスして
アイデンティティ
幸福論(先行編〜メンバー紹介〜悦楽編)
罪と罰
歌舞伎町の女王
浴室
依存症
シドと白昼夢
病床パブリック

〜アンコール〜
同じ夜
丸の内サディスティック


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